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ボランティア部


2016年8月熊本ボランティア前班(H1大西)

2016年夏 熊本ボランティア活動を終えて

大阪星光学院高等学校 高1 大西祐輔

はじめに

 八月上旬、熊本での災害ボランティア活動に参加した。地震発生以降、連日のように報道をみて、現地の様子を見に行きたい、そしてわずかでも復旧の力になりたいという思いを人一倍強くして、応募を決意した経緯があった。その気持ちが通じたのか、抽選を勝ち抜いた時には正直驚いたが、行けない人たちの分まで精力的に動いて、後悔のないようにと考えながら、大阪を発った。

 一日目

 朝一番の飛行機で熊本空港に降り立った。熊本空港は、二度も震度7の大きな揺れに見舞われた益城町に位置する。だが、空港の周辺には目立った被害の痕跡は見当たらなかった。内心「あれ?」と思った節もあったが、空港という都市の最重要機能は絶対に守るという防災対策の賜物がそこにあるようにも感じた。

 日中は、大型タクシーを利用して主に南阿蘇方面の被害地域を巡った。強い揺れによる建物の倒壊に加え、土砂崩れによる被害が甚大な地域だ。大規模な土砂崩落で完全に寸断された阿蘇大橋にも、ギリギリまで近づくことができた。どう頑張ってもカメラに収まりきらない壮大なスケールが、眼前に襲いかかる。人々はこの状況から復興を目指しているのか・・・。途方もない、可能かどうかも分からない復旧の道のりを思ってみた。そして、この場所で不幸にも命を落としてしまった方々への哀悼の意を捧げた。

 二日目

ボランティアの仲間達

 菊池市の「カリタスジャパン」を拠点に、益城町のボランティアセンターから派遣されて町のとある個人宅に訪問し、ブロック塀の撤去を一日かけて行った。一見すると安全そうな塀だったが、次大きな揺れが来ると危険な状態になるという。震度7を実際に経験した人にしかわからない感覚だろう。作業はハンマーを使用するなど大変な労力を要するものだったが、チームで協力しながら進めることで、ボランティアどうしの親睦を図ることもできたのではないかと思う。

 益城町を車で走っていると、倒壊して跡形もない状況の家屋があちこちにみられた。人の手が付けられたような形跡はなく、地震直後のままのものも多い。これらを放っておいても、復興の時は訪れない。「時間が経てばいずれ復興する」といった軽い言葉では済まされないと身の引き締まる思いがした。

 三日目

 西原村のボランティアセンターから派遣を受けて、山間のお宅に訪問して片づけを行った。ボランティアが入ること5回、それでも完全に片づけることはできなかった。ガラスや陶器のお皿なども散乱しており、地震によって生活が破壊されているという実感を得た。

 活動も三日目となって、ボランティア同士の親交も深まってきた。福岡や広島から来たという、普段出会うことができない人たちと話をすることができ、ボランティア活動の醍醐味を味わった。

 最終日

 三日目に引き続き、西原村のボランティアセンターから、とある農家のお宅を訪問して、農具等の片づけを行った。二日目、三日目に比べると比較的楽な作業ではあった。
 作業の中で出た廃材等を処分するため、瓦礫処分場へと出向いた。膨大な量の木材が積み上げられており、その雰囲気は、普段自分たちが生活している「都市」とはまるで違った、別世界を思わせた。この廃材の山が、今後どこへ行くのかもわからない。考えてみれば、災害復興のスケールの壮大さに圧倒されっぱなしの四日間だったな。活動を終えてみて、ふと感じたことだった。

 最後に

 西原村のボランティアセンターには、ボランティアたちが被災地への思いをしたためるためのメッセージボードがある。そこには、「頑張ろう!」といった復興への前向きな気持ちがよく表れていた。熊本地震から4か月、現地を実際に見ることで復興はまだまだ道半ばであるという現状を知った。その一方で、全国から集まった志ある人々の、一歩ずつでも前に進もうという熱意も十二分に感じられた。実に内容の濃い四日間で、とても満足できた。今後は被災地熊本の存在が忘れられることのないよう、できることをしていきたい。

2016/09/20