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2016カミオカンデ見学ツアー(H1柚木山)

                                                             H1柚木山

 最初はちょっとした好奇心だったのです。「スーパーカミオカンデ]…耳にしたことはあるものの、どのような目的で、いつ建造されたか、といったことは当時の私は未知のことで、人生でこのような装置を見学する機会なんて、現地の職にでも就かない限りはないだろう――私がこのカミオカンデツアーに申し込んだ発端はそのようなことでして、いざ申し込んでみると、すでにかなりの定員であることを先生に知らされて、先着順だったら参加できないのかなあ…、と気が滅入ることもありました。最終的には出題範囲を知らされたうえでの選抜試験を申込者全員で受けることとなりましたが、今となってみてはこのときに「素粒子」についてそれなりの自主勉強をしたことが、素粒子の内容に少しでも興味を持てたことや、先のツアー本番での2大学の教授のお話を理解するところは理解しながら聞けたことの一因となっているので、この試験を考案された榎村先生と石橋先生にはありがたく思っています。

試験にとおってから実際の見学旅行までの月日は長かったですが、学校で「今回は先生方にも我慢してもらっている。」と耳にしたときには、この見学を通じて何か得られるものを持ち帰ってくるように心構えをしました。そして、これから先に二度とないような経験をすることに対して、内心興奮気味だった覚えもあります。

カミオカンデの入り口で

見学ツアー1日目、バスがたどり着いた自然に囲まれた地に、梶田先生のノーベル物理学賞受賞を祝う垂れ幕がかかる建物を見つけたときには、ここが東北大学、東京大学の教授の講義を受ける場所だということが分かりましたが、思いのほか田舎に立地していたことは意外でした。東北大学の教授からはカムランド実験に関する詳細、東京大学の教授からは素粒子に関することからスーパーカミオカンデ実験に関する講義を受け、前者は内容の理解が難しいものの間もなく開始する最新の実験についての説明、後者は理解しやすい素粒子の説明とカミオカンデの今後について教えてもらいました。そのことがあってか、後者の東京大学の教授の講義後には星光側から多種多様な質問が飛び交い、私個人理解が追いくことに必死でした。宿舎では夜、現地で務める54期生卒業生の方からカミオカンデの情報並びにその他ユニークな話など聞き、初耳の内容も多く聞けたのではないかと思っています。

見学ツアー2日目、いよいよ迫る施設見学に胸が高鳴ります。見学順は私のグループではスーパーカミオカンデからカムランドの順番でした。現地付近で特殊なバスに乗り換え、山中に存在する巨大な炭鉱らしきところにバスでトンネルをくぐっていくとき、当初私が予想していた行き方とは異なり、――地下1000mに存在すると習ったので地表から地下エレベーターを使い両施設へ訪れるものと思っていました――その点で新たな発見ができたと私なりに思っていました。最初に訪れた施設には数々の科学者や著名人のサインが描かれた印象的なモニュメントがあり、道行く先には実際の勤務現場――。事前に講義で知ったように外国人の方も多く見られ、実験現場の“今”を目にできたことが嬉しいの一言では表せない気分でした。訪問場所には実験装置の説明に関する資料があちこちに貼られていたことも覚えています。途中には光電子増倍管のモデルもあり貴重な体験ができたと思えます。

後半の見学はカムランドで、実験中の影響もあり1か所回れなかった場所はありましたが、製作に何億円とかかる装置の数々を見回れたように思います。また、スーパーカミオカンデもそうですが、仕事現場にお邪魔さしてもらったとき、カムランド側では実施中の最新の実験準備の様子をモニターで拝見し、担当の方が今しか見れない映像だと何度も推していたことが鮮明に覚えています。また、様々な施設をめぐる際に通った道の表面にはカタカナで何か書かれていたり、車が3台ほど入る駐車場スペースもあった記憶があります。気体発生装置やその他スイッチがあらわな状態となっている機械の数々を目にし、改めてここが日本を代表する“実験施設”であると思い示された気分でした。敷地内にはかつて施設の入場に使われていたトロッコの路線跡地もあり、一種の歴史も感じ取れたあとこの敷地を後にしたときは、もう訪れる機会が少ないものと考えると、寂しい気持ちもありましたが、「見学を終えたんだ」という達成感にも浸っていた気がします。

たった2日間という短い時間でしたが、それ以上に重みのある経験を得て帰ってきた今回のカミオカンデツアー。これまで無縁の素粒子について足を踏み入ったことが、感動を私にもたらしてくれた――そう私は信じます。無知のまま神岡の諸施設を訪問したところで何を得ることができたのでしょうか。想像もしがたいことです。

最後に今回の施設案内をしてくださったスーパーカミオカンデ・カムランド関係の職員様、この企画を考案してくださった先生方、このツアーの参加を促してくれた両親に感謝の意を伝えたいと思います。貴重な体験をさしていただき、ありがとうございました。

 

2016/09/20